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神鏡学斗とうっしーによるツクール創作サイト

人工物と自然物 〜自然なマップって、自然? 人工?〜

「ハムちゃ〜ん! ダンジョン作ったの、見て見て!」
「お、初ダンジョンか。最初はダンジョン一つ作るのも大変なんだよな。どれどれ……」
「どうかしら?」
「…………なんか、えらい直線的だな、この洞窟」
「分かりやすくていいでしょ?」
「曲がり角とか直角だけど、何か意味があるのか?」
「四角ツールで道を作ってると、自然とそうなるでしょ?」
「おぉ、草が生えてる……これまた見事な正方形」
「見栄えがいいかと思って」
「お! 水路があるじゃないか、規則的で、幾何学的な模様を描いた……これは、中心に隠しイベントが」
「別に無いよ? そっちの方がかっこいいかな〜と思って」
「…………」
「…………」
「アホウ! こんなダンジョンがあるか!」
「えぇ!? 何がダメなの!?」
「いいか、洞窟ってもっとこう不規則でランダムなもんだろ。自然物と人工物の使い分けが全くできてない!」
「自然物と人工物ぅ……?」
「説明しよう。まぁ、作り慣れてないと確かにこういうダンジョン作るからな……」

 ダンジョンはRPGにおいて外せない要素です。ダンジョンに限らず、町やフィールド、建物など、マップ作りがゲームの出来を大きく左右します。ここではまず、最も基本ともいえる自然物と人工物の使い分けを学びましょう。

自然物:フィールドやダンジョン、森など、人の手が入っていない場所。樹や草、岩、など。不規則でランダム。直線や幾何学模様(円や四角も)はまず存在しない。

人工物:建物や町など、人の手によって作られた場所。壁、柱、道、水路など。
直線や幾何学模様、左右対称な構造が多い。

 大きな違いは人の手が入っているかいないか、です。身の回りの景色を見まわしてみましょう。道は基本的に直線ですし、建物は四角です。それに対して、森や洞窟はでこぼこしていたりグニャグニャしていたりして不規則です。草や木もランダムに生えています。規則的に樹が生えているのは人の手によって植えられた樹です(街路樹など)。
 つまり、不規則・ランダムな構造にすると自然物、直線・幾何学的な構造にすると人工物になるのです。これを考えず、直線的な森や洞窟を作ったり、不規則な形の建物を作ったりすると違和感が出てしまいます。

「ふぅ〜ん、自然物と人工物の使い分け、かぁ。ツクールだと、ある程度人工物のチップと自然物のチップが用意されてるよね」
「そうだ、それをきちんと使い分けないといかん。俺は、森やダンジョンを作る時は基本的に鉛筆ツールしか使わない。逆に、建物など人工物を作る時は四角ツールや円ツールを多用するな。使うツールを変えるだけで、ずいぶん差を出す事が出来る。簡単な例を示そう」

左:四角ツール 右:鉛筆ツール


「ただ草が生えているだけだが、これだけで雰囲気が違うだろう」
「村とかで、わりとランダムに家が配置されてる場合があるけど、それは?」
「そういうのもある。自然と人工の中間みたいな作りだな。それでも、所々に直線の道を作ったりすれば人工感を出す事が出来る。あと、家とか建物は基本的に四角だろ?」
「たしかに」
「むしろ、町の建物の配置を調節すれば、『ある程度ランダムに家配置⇒村』『きっちり幾何学的に家配置⇒大都市』という表現の差にもつなげられる。もうひとつ、ダンジョンでも同様だ」
「ダンジョンでも?」
「ランダムな洞窟にあえて幾何学模様や直線的な道・部屋を用意すると、洞窟のその部分は人の手が入っている事を表現できる。規則的に柱が並んでいる、そこだけ草が無くなっている、なんてのも人工物の表現だな。ほかにも、森を作るのでも、道が無いグニャグニャした森にすれば人の手が入っていない原生林を表現できるし、割と直線的な道がある森にすれば、人の手が入った森(村の近くの森とか?)を表現できる」
「なるほど……うまく混ぜ合わせる事でより高度な表現が出来るわけね」
「そうだ。初めから高度な事は目指さなくていいから、とにかく自然物と人工物は使い方が違うと言う事を覚えておこう。これを押さえるだけで、マップの質が格段に上がる」

もう一段見栄えのするダンジョン作り

「ハムちゃんのダンジョンて、ごちゃごちゃしてるよね。草とか樹とかいっぱい生えてるし、石とか結構落ちてるし」
「俺は、がらんとしてるより色々ある方が好きだからな。ちょっと過剰かと思えるぐらい草とか岩とか小物を配置するようにしている
「やっぱり、小物は配置した方がいい?」
「まぁ、これは好みがあるから何がいいとは一概に言えないけど。ただ、単調なマップになるのを避ける効果はあるんじゃないか。あと、ゲームってやっぱり視覚で楽しませる物だから、色々ある方が見ていて面白いんじゃないかと思う」

 自分で一からマップチップを作ると大変ですが、ツクールなどの場合、岩や草、机や棚など、小物として使えるチップが比較的そろっています。これらを使う事によって、一段見栄えの良いマップを作る事が出来ます。

 地面に敷く物:絨毯、草地、水たまり、花畑、ひび割れなど
 地面に置く物:岩・草・骨など
 壁に配置する物:ひび、壁掛け、旗、窓、棚など

 こういう物を細々と配置することによって、単に床と壁が配置されたマップよりも作りこんだ印象のあるマップにする事が可能です。

「好みもあるけどね。あと、ごちゃごちゃ配置しようとすると結構面倒くさい。まぁ、何度も言うがマップはRPGの重要な要素だからな。こだわって損は無いだろう。あと、もう少し高度な表現を行う事も可能だ」
「たとえば?」
「下の絵を見比べてもらおう」



「基本は同じなのに、左右の部屋で全然雰囲気が違うね」
小物の配置の仕方ひとつで、部屋の持ち主の性格まで表現できる。覚えておくと便利だろう」


今日のまとめ

1)自然物と人工物の使い分けがマップ作りの鍵。
2)自然物はランダムで不規則、人工物は直線で幾何学的。
3)両者の中間、あるいは混ぜ合わせによってより高度な表現が可能。
4)小物はマップの見栄えを上げ、時には表現につながる。